野球のこと

2009年02月08日

前回は練習量のことについて記しました。
練習量ではなく、質と量のバランス、
成果の上がる練習が必要であると。
なぜ私がこのことを重要視するかと言えば、
それは私と同じ過ちを繰り返してほしくないからです。
私がメンタルトレーニングを始めたきっかけは、
プレッシャー、緊張感から逃れたいと思ったからです。
緊張感を克服するために、練習量に裏づけされた自信がほしくて、
ただひたすらに猛練習を繰り返していました。
当然想像を絶するような猛練習をしていますから、
「白井は練習熱心で努力家だから」、
「白井はあれほど頑張っているのだからと」、
と評価されました。
しかし、結果は出るはずもなく、
オーバートレーニングによる故障にもつながりました。
緊張感を克服するために練習量を、
誰よりもこなしていることは、
練習の目的を逸しています。
練習はあくまでも技術力向上にあるもので、
練習量をこなしたことでの、
自身の裏づけ欲しくて練習しているようでは、
選手としての技術力は上がりません。
私自身には、必死で技術力を上げようとしていた部分もありますが、
それ以上に求めていたのは、
練習量に面付けされたメンタルでした。
量ではなく、
高い質の練習を繰り返す、
技術向上のための練習と、
不安を打ち消すための練習とでは、
目的意識がまったく違います。
たしかに猛練習をすることで、
猛練習に耐える忍耐力はつきますが、
緊張感を克服するには、
忍耐力ではなく、
緊張感をコントロールするための、
メンタルトレーニングが必要なのです。
私に必要だったのはメンタルトレーニングであり、
それを技術や体力トレーニング同時に、
猛練習を繰り返していたのです。
心を鍛えるトレーニングが、
メンタルトレーニングであり、
その目的に向けて
猛練習(メンタルトレーニング)すればいいのです。
技術を上げるには、
技術を上げるための猛練習を、
体力を上げるためには体力を上げるための猛練習を、
することが練習の意味です。
練習の目的意識が明確で、
そのために正しい方向で、
適正な量をこなせばいいのです。
適正な量とは、
目標に向かって長期、中期、短期計画を立て、
その計画に沿って猛練習をすることです。

私は決して猛練習、練習量を否定するわけではありません。
選手には時間と体力には限りがあり、
その時間と体力を有効に使うためには、
正しい方向性と適正な量が必要だと思います。
その正しい方向と、
適正な量の中で、
計画的な猛練習をこなして行けばいいのです。
技術には技術トレーニング、
体力には体力トレーニング、
メンタルにはメンタルトレーニングがあり、
必要とされる目的に向かって猛練習をするのと、
アピールや不安を打ち消すためにただ猛練習を繰り返すのでは、
まったく違った成果につながります。

私は、現役時代に誰よりも猛練習を繰り返してきた自負があります。
その一方で、猛練習の方向性が曖昧になっていた、
深い反省があります。
だからこそ今の選手たちには、
正しい方向性(明確な目的意識)、
そして適正な練習量をこなして、
本当の選手として能力を高めてもらいたいと強く願います。




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この記事へのコメント
だから、説得力があるのですね。目的をしっかり持って、質をあげる。どんな春季キャンプをすごしたか?一つ一つの試合をそんな視点で楽しみたいと思います、
Posted by miffy45 at 2009年02月08日 22:08
とてもとても遅いコメントになってしまいましたが・・・

私の猛練習も緊張感を克服するためでした。
と言いますか・・・準備不足=不安→緊張=ミス
というのが方程式でしたから。
いつもいつもコンサートではお腹が下るほどの
緊張をしていて若い頃はとても痩せていました(^^;)

今ももちろん緊張対策をしながらの練習ですが
少しは要領が良くなり、「正しい方向性」を考えながら
準備出来るようになって来たと思っています。

闇雲に頑張る時期もあって良いかな?と思いますが
確かに大切なのは「明確な目的意識」だと改めて実感しています。

私の後進の指導にまたひとつ的確なテーマが出来ました!
いつもいつもありがとうございます。
(ちなみに、こんなに後からのコメもお目に入りますか?)
Posted by たかきよ at 2009年02月20日 00:05
先日は 函館での講演ありがとうございます!

講演でも話されていましたが、この

「明確な目的意識」

自分軸がぶれないためにも 必要である
ということを 痛感いたしました。

何が 目的なのだ?
そのためには 何が必要なのだ?


何でも やろうと思えばできる時代
そろっている時代

選択する時に 明確な目的意識があれば
方向性は 常に同じほうへ むいていけますね

ありがとうございます!またきまし!
そして 函館は いかがでしたか?
Posted by HureaiペンションSHANTI at 2009年03月16日 10:23
ブリ(渡辺博人)の高校野球部の友達です
野球の事について疑問があり、ブリにTELしたのですが、答えに確信がなく、ならば、このブログに質問してみたら?と言われ、質問した次第です。

息子が高校で野球をやっています。
内野手をやっていますが、ボールを取る時に出す足はどっち?改めて聞かれ、なぜと問うと、、野球部の仲間から、右足を出すほうが次の送球が速い と言われたそうです。

これまで左足と教えていたのでが、私自身も不安になりこのブログに質問を書いています。

忙しい所すみませんが、教えて頂けたら幸いです。
Posted by ブリ(博人)の友達 at 2010年02月17日 22:18
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