ナイストライ！白井一幸ブログ

今日、田中賢介選手が海外FAでのメジャーリーグ挑戦を表明しました。
本人はここ数年メジャーリーグでプレーしたい想いが強くなっていたようです。
メジャーリーグにおける日本人内野手の評価は年々下がってきています。
井口選手に始まり、松井、岩村、西岡、川崎選手などが、
日本時代のような成績を残せなかったことも一つの要因です。
しかし一番の問題点は守備力の差の大きさですね。
打撃部門以上に守備面での評価は、
メジャーリーガーにとっては重要です。
昨年の中島選手はヤンキースが交渉権を獲得しましたが、
以外にも評価が低く、
結果的にはライオンズ残留となしました。
そんな状況の中、
田中賢介選手の挑戦は、
相当の決意があっての決断だったのでしょう。
今回の決断がどのような結果になるかは誰もわかりませんが、
私個人としては注目して応援したいと思っています。
　
田中賢介選手は、
私が初めてスカウトに参加した選手であり、
そして私が指導者になって初めて直接指導した選手でもあります。
東福岡高校に何度も足を運び、
県予選や甲子園でも何度もチェックしました。
素質の高さや現状能力の高さだけでなく、
将来性、潜在能力の高さに確信を持っての指名でした。
そして入団後は指導者(ファーム総合コーチやファーム監督)として関わりましたが、
彼の持っている能力を引き出すことが出来ず、
随分遠回りをさせてしまったと反省しています。
１軍でレギュラーになったのは、
すでに私が１軍のヘッドコーチになっていた２００６年のシーズン途中ですので、
予想以上に時間がかかりました。
その間はお互いにいろんな葛藤があり、
試行錯誤の毎日でした。
思うようにならない毎日は、
選手にとっても指導者にとっても辛いことですが、
苦悩の毎日は今でも鮮明に覚えています。
しかしレギュラーを獲得してからの活躍、
そしてそのリーダーシップは、
想像以上に大きなものでした。
ある意味ファームでの低迷、
１軍と２軍のエレベータ選手時代が、
選手としても人間的にも、
大きな成長につながったとも思います。
北海道に移転後のファイターズの４度のリーグ優勝、
１度の日本一への貢献も大きく、
また今では球界を代表する選手となりました。
今年は怪我もありましたが３割を打ち、
チームもリーグ優勝、
そして３年契約もあと１年残っていることを考えれば、
残留したほうが立場も報酬も安定します。
またファイターズへの愛着の大きさもありながら、
それでも今回の挑戦ですから、
その決意の固さは計り知れないものがあります。
私も何度か相談を受けてきましたが、
メジャーへの想いの大きさはとても強く伝わってきました。
私個人としては彼の決断を応援をしたいと思います。
待ち受ける困難も、
長い将来を考えれば、
決して遠回りにはならないと思います。