ナイストライ！白井一幸ブログ

森本選手がベイスターズに入団決まりましたね。
30日の夜に電話があり、
「ベイスターズに決めましたのでよろしくお願いします」
との報告を受けました。
ＦＡ宣言していたので、
動向に注目していました。
「白井さん、森本選手に声をかけたのですか？」
とよく聞かれていたのですが、
私はまったく連絡を取っていませんでした。
森本選手の入団1年目が、
私のファイターズのファームコーチ就任した年でした。
当時は大型内野手として入団してきたのですが、
入団時にはすでに肩を痛めていたので、
1年目はほとんどリハビリでした。
当時ファーム総合コーチでしたが、
とくに内野守備を担当していたので、
森本選手の基本練習に付きっ切りの状態でした。
肩が治った後もしばらく内野手をしていたのですが、
スローイング(コントロール)の問題を解決できずに低迷していました。
2年目のシーズン中に走力や肩の強さ、
またいち早くチャンスがあるのではと外野手転向の話が出ました。
本人は内野手にこだわっていたのですが、
ファームの試合でセンターで起用したところ、
いきなり素晴らしい守備を見せました。
また内外野にかかわらず試合に出ることの喜びを感じたようで、
そのまま外野手に転向したのです。
そのときには私はファーム監督でしたが、
当時のファイターズは100試合で36勝しかできない弱小チームでした。
毎試合のように負けていたのですが、
それでもチームは前向きに、
常に全力を尽くすチームカラーが出来上がりつつありました。
その前向きさ、明るさ、全力プレーを前面に出して、
チームの中心的存在になったのが森本選手でした。
そのキャラクターやその後の活躍は皆さんも良くご存知の通りです。
私は入団以来とても辛いリハビリや試合に出れない時期、
また外野手転向から1軍昇格、
レギュラー獲得からリーグ優勝、
日本一までの軌跡をすべて共有しているのです。
そんな私が森本選手に声をかけたら、
彼自身の決断に影響を与えかねないと考えました。
「一緒にやろう」と声をかけることよりも、
森本選手自身が選んだ球団でプレーすることが、
彼の実力を発揮するには一番と考えたのです。
そのため一度もこちらから連絡を取ることはありませんでした。
そんな想いを持ちながらも「ベイスターズに来て欲しい」と思っていたところに、
森本選手から連絡が来たときはとても喜びました。
私としてはベイスターズでまた一緒にできることになったことも嬉しいのですが、
それ以上に森本選手がプロ野球入団以来その取り組みや性格、
チームやファンに与える影響力などを知っているだけに、
ベイスターズとしては大きな起爆剤になるのではと期待しています。
一人でチームの雰囲気を変えるような存在は、
プロ野球界でもたくさんいるわけではありません。
そんな貴重な存在の森本選手の加入は、
ベイスターズにとってビックニュースです。
また楽しみが一つ増えて、
ますます来シーズンが待ち遠しくなっています。